緩和ケア病棟のご案内
緩和ケアの理念
緩和ケアは、重篤な病にある患者さんとその家族および介護者（以下、家族という）のＱＯＬの向上を目的とした 全人的ケアである。緩和ケアは、身体的・心理的・社会的スピリチュアルな問題に対応し、他の医療やケアと 並行して提供される。緩和ケアを提供することは、重篤な病の医療と介護に携わるすべての人々の責務である。
緩和ケア病棟 基本方針
緩和ケア病棟は、悪性腫瘍を有する患者さんを対象とし、集中的な症状緩和をチーム医療で支援する病棟である。
１）重篤な病に関連する多面的な問題に対応し、医療者とその他の関係者が協力してケアを提供する
２）痛みやその他のつらい症状を和らげる
３）患者さんの人生と命を肯定し、患者さんができる限り主体的に生きられるように支援する
４）苦痛の原因となる病の状態をよりよく理解し対処するための検査も実施する
５）死にゆくことを自然な過程と捉え、死を早めることも遅らせることもしない
６）苦痛や問題の解決が困難なときにも、患者さんと家族に向きあい関わり続ける
７）患者さんと家族の関係の多様性に配慮しつつ、患者さんと家族を一つの単位としてアプローチする
８）患者さんが様々な問題に対処していけるように支援する
９）患者さんとの死別後に家族が抱える問題や悲嘆に応じた支援を行う
入院対象者
・病名が告知されおり、悪性腫瘍疾患の症状緩和を目的とした患者さん
・入棟中に症状緩和目的以外の積極的な治療の予定がない患者さん
入棟基準・退棟基準
入棟基準 次の１）から３）のいずれかに該当する患者さんとする
１）本人および家族等が、次の６項目すべてを理解した上で入棟を希望している
※家族等・・・患者さんが信頼を寄せ、終末期の患者さんを支える存在であり、法的な意味での信頼関係に限定せず、より広い範囲の人を含む
①がんによる身体・精神的苦痛に対して、症状緩和を目的として医療が行われること
②入棟中は手術や抗がん剤投与は行わないこと
③輸血は症状緩和目的に限り行うこと ※それ以外の目的で行う場合は、適応について多職種カンファレンスで検討する。
④胸水・腹水等の排液は穿刺のみに限り行うこと
※ドレーン類の管理は基本行いわないが、挿入のまま入院に至った場合、抜去後の再挿入は病棟では行わない
⑤患者さん・家族等と十分に話し合いを行い、原則DNARが確認されていること
⑥退棟基準を理解していること
２）本人に意思決定能力はないが、その家族等が入棟を希望していること
３）レスパイト入院が目的であること。この場合、次の項目すべてに該当していること。
①症状が安定していること
②入棟期間は２週間以内であること
③有料個室利用となる可能性があることに同意していること
費用について
医療費は各種健康保険適用となります。
なお、室料差額・食事代・入院セット（お申し込みの方のみ）には別途費用がかかります。
設備と室料
| 室料 | 部屋数 | 室内設備 | |
| 有料個室(11㎡) | 14,300円/日（税込） | 10床 | トイレ・テレビ・冷蔵庫 |
| 無料個室(11㎡) | 0円/日（税込） | 15床 | テレビ（有料）・冷蔵庫（有料） |
緩和ケア病棟 入院申し込み
【当院に通院中の方】
・主治医に緩和ケア病棟へ入院希望とお伝えください
【他院でがん治療をされている方】
・主治医とご相談のうえ、医療機関様より当院の医療連携室へご連絡ください
医療機関の方へ
緩和ケア病棟への入院は、緩和ケア科（入院面談）が必要となります。
面会について
・２４時間面会可能です
・面会者は２親等までとさせていただきます。その他の面会希望者はご相談ください。
・ペット面会も可能です。ご相談ください。
・緩和ケア病棟にお見舞いの方は割引料金となりますので、受付職員にお申し出ください。
緩和ケア病棟での実習・見学について
《対象職種》医療従事者（医師・看護師・薬剤師・その他の職種）
《応募条件》 ①緩和ケア病棟に興味のある方
②実際の緩和ケア病棟で提供される医療やケアを見学したい方
③地域医療と緩和ケア病棟の連携を検討したい方
《実習内容》 ①緩和ケア病棟内見学
②外来見学や多職種連携等、希望に応じたプログラムを検討します
③実習終了時には学びを深める時間を設けます
《実習時間》 ①勤務の都合に合わせ、半日～２日間程度で調整することが可能です
②日勤の勤務帯で対応いたします（８：３０～１７：１５）
《応募の連絡先》下記実習申込書に必要事項を記入後FAXにてお申込みください
ご不明な点はお気軽にお電話にてお問い合わせください
平塚共済病院 医療連携支援センター 緩和ケア病棟実習担当 電話：0463-32-1950（代表）