心臓血管外科(心臓センター)

心臓血管外科(心臓センター)

診療方針

2002年4月より、当院では心臓血管外科を新設いたしました。
 循環器科とともに心臓センターとして、湘南地区での循環器疾患治療の主要拠点を目指しています。 ICUおよび病棟を、循環器内科と心臓血管外科が共有し、初診から退院・外来通院まで協力体制で治療しています。また他院の循環器内科との連携も良好で、初診より退院後の逆紹介までスムーズに行っています。横浜・鎌倉・厚木・伊勢原・寒川・秦野・小田原・足柄・箱根などの循環器内科から広くご紹介いただいております。

 臨床修練指導医認定      2004年3月23日~
 心臓血管外科専門医関連施設 2003年4月1日~2010年12月31日
 心臓血管外科専門医基幹施設 2011年1月1日~

2013年10月より、腹部動脈瘤・ステントグラフト外来を始めました。
   
こちらをご覧ください。

2014年10月より、胸部大動脈瘤・ステントグラフト外来を始めました。
   こちらをご覧ください。

※当院では患者さんのデータを登録する全国データベース事業NCD(National Clinical Database)に参加しています。
  詳しくはこちらをご覧ください。

心臓血管外科手術の費用について
 詳細は、こちらをクリックしてご覧ください。 【PDF形式ファイル】

診療実績

インド・ジャイプールでライブ手術

手術件数

その他実績

診療内容

【心臓専用手術室】
心臓専用の手術室を増築いたしました。
生体モニターシステム、最新の人工心肺装置・IABP・PCPSなどの補助循環装置、超音波診断装置、麻酔器を整えました。麻酔科と強く連携し、殆どの症例で非常に良好な術後経過を維持できています。
【臨床工学技士】
弁膜症・心筋症・大動脈疾患に対する心臓手術では、人工心肺装置が不可欠です。当院では、体外循環技術認定士の資格を持った臨床工学技士(技士長:小林剛志)を中心に、臨床工学技士スタッフが責任を持って装置の操作を行います。
人工心肺装置
【CABG(冠動脈バイパス術)】

狭心症・心筋梗塞の外科治療としてのCABGは、30年以上前より人工心肺装置を用いて心停止下にて行われてきました。
心臓手術の危険性はこの心停止に伴うものと考えられています。

【Off Pump CABG(オフポンプ冠動脈バイパス手術)とドーナッツハートスタビライザー】
Off Pump CABGとは人工心肺装置を用いず、心拍動下に行う冠動脈バイパス手術のことです。

当科では全ての患者さんを対象にこの術式を行っております。(神奈川県内では,100%心拍動で行っている唯一の施設)

冠動脈は2mm以下の非常に細い血管ですが、高橋の開発したドーナッツハートスタビライザーを用いれば、心拍動下でも安全確実に吻合が可能となります。ドーナッツは冠動脈吻合部の周囲全体を均一な吸引にて固定する装置であり、国内はもとより世界の著名な外科医から高い評価を得ています。

【SPY Intra-operative Imaging System (スパイ術中グラフト造影装置)】

グラフト

2002年に、当院には世界で8台、アジアでは唯一の最新式術中グラフト造影装置を入手しました。バイパスグラフトが確実に吻合されているかどうかを、手術室でリアルタイムに確認することが出来ます。これにより、バイパスの開存率は限りなく100%に近づくものと思われます。SPYの活用においては日本だけでなく世界をリードしており、スタンフォード大学との共同研究は、JACC imaging に掲載されました。

MIDCAB(ミッドキャブ、低侵襲小切開冠動脈バイパス手術)
心臓手術は、通常、胸骨正中切開で行います(図の青線)。しかし、当院では、冠動脈の吻合が限定している場合、創の小さなミッドキャブで行うことが可能です。図の赤線のように皮切して、肋骨の間からアプローチします。多くの場合は、LAD(左前下行枝)に行いますが、RCA(右冠動脈)CX(左回旋枝)にも可能です。
この手術の、最も困難な点は、小さな創口から、バイパスで用いる内胸動脈を剥離する点です。このため、高橋は、特殊な開胸器(MIDACCESS Retractor)を考案し、フランスのデラクロア社とともに開発しました。
より安全に内胸動脈を採取でき、手術の確実性が向上しました。




20119月には、インドに招待され、公開手術を行っています(上述)。




【左心室形成術・心臓再同期療法(CRT)】
1997年に、高橋部長は自らブラジルに赴き、バチスタ手術を学んできました。その経験から左心室の拡大した拡張型心筋症・虚血性心筋症に対して、左心室縮小手術を積極的に行っています。

必要な患者様には、Batista(バチスタ)手術・SAVE(セーブ)手術・Dor(ドール)手術などの左心室形成術を行います。また、心機能の改善のために、左心室リードを手術時に外科的に植込み、術後に心臓再同期療法のためのCRTP、 CRTDを植込み、両心室ペーシングを行います。

 クリックすると、手術詳細がご覧いただけます。(PDF形式ファイル)
  Batista(バチスタ)手術   SAVE(セーブ)手術   Dor(ドール)手術
心臓再同期療法

【大動脈弁置換術

高齢者であっても、自立歩行の可能な方なら、積極的に弁置換術を行い、突然死を予防します。
現在までの最高齢89歳女性、平均年齢70歳、手術成功率98.4%でした。




【僧房弁形成術】
僧房弁閉鎖不全症に対して、自らの弁を温存する僧帽弁形成術を積極的に行っています。
人工弁輪で将来の再発を予防します。

弁尖切除による形成術




こちらをクリックすると、PDF形式ファイルが見られます。

人工腱索を用いた形成術
こちらをクリックすると、PDF形式ファイルが見られます。

【メイズ手術】
心房細動とは
血液は体全体をめぐり、酸素をいろんな組織に供給し、いらなくなった炭酸ガスを受け取り、心臓に帰ってきます。
心臓に帰ってきた血液は右心房に貯えられた後、心房の収縮によって右心室に移動します。
次に心室の収縮によって血液は肺に送られます。
肺で酸素を吸収し、炭酸ガスを放出した血液は左心房に戻ってきます。
左心房に貯えられた血液は心房の収縮によって左心室に移動します。
最後に心室の収縮によって血液が体全体に送り出されます(左図)。

心房細動は不整脈の一種類です。心房細動は心房のまとまりのある収縮がない状態で、心房が細かく速い動きをします(左図)。

心房細動は加齢とともに増加し、60歳以上では5%、80歳以上では10%の人が心房細動であるといわれています。
もともと心臓に病気(弁膜症、心筋症、心筋梗塞、先天性心臓病など)のある人は心房細動になる確率が高くなります。

心房細動になると血液が心室に十分に送られなくなり、心房に血液が溜まるようになります。血液が心房の中で動きが遅くなると血液は固まりやすくなり、心房の中に血栓という血液の固まりができることがあります。その固まりが血液の流れに乗って運ばれていくと、どこかの血管を閉塞(つめる)してしまいます。脳の血管を閉塞すると脳梗塞になり、閉塞した部分は血流がなくなるので機能が失われます。血管の閉塞は身体の中のどの部分でも起こる可能性があります。

メイズ手術:成功率と適応
心房細動に対する手術はメイズ(Maze)手術と言われ、英語で迷路のことであります。大きくなった心房のなかで電気刺激がグルグル回らないように、一つの道筋をつける手術で、心房の中に迷路をこしらえるような手術になるためこのように呼ばれています。
日本医科大学 心臓血管外科の新田 隆教授にご指導を受け、積極的に行っています。

ミニメイズ-肺静脈隔離法:高周波による電気的焼灼
心房細動を起こす可能性が高い部位のみを、電気的に焼灼する手技を加える方法(ミニメイズ)があります。心房細動がとれる確立はやや低下しますが、時間が短時間で済みます。弁の手術に加えて行う場合、心停止時間を短くするためには、このミニメイズが有効です。

【腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術】
2011年6月、腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療施設に認定されました。
ステントグラフトの第一人者 川口 聡先生自ら、当院に来ていただき、実施および指導を行っていただいております。

 週刊朝日2012/10/05増大号の記事、こちら をクリックしてご覧ください。

ステントグラフトについて

 ステントグラフトとはステントとグラフト(人工血管)とを組み合わせて作成されたものです。足の付け根の動脈から細く折り畳まれた状態で挿入され、動脈瘤の位置に合わせて血管の中で拡げることで動脈瘤への血流を遮断させる、という治療法です。



胸部大動脈瘤ステントグラフト内挿術
201410月より、胸部大動脈瘤に対してもステントグラフトを施行できるようになりました。

 

▲このページの先頭へ戻る

心臓手術のご相談はいつでもお受けいたします。メールでのお問い合わせも可能です。airdonut [アットマーク] kkr.hiratsuka.kanagawa.jp にて高橋政夫部長まで直接か、病院の病診連携室(病院代表0463-32-1950、byoshin [アットマーク] kkr.hiratsuka.kanagawa.jp)にご連絡ください。
( 文中の[アットマーク] は@に変更してください )

スタッフ

医師 資格
高橋 政夫
たかはし まさお
部長

昭和63年金沢大学卒
認定資格
医学博士、
心臓血管外科専門医、日本外科学会外科専門医、日本胸部外科学会認定医、

日本循環器学会専門医、
国際心臓血管外科学会会員、日本心臓血管外科学会評議員、日本胸部外科学会正会員、

日本冠動脈外科学会評議員、日本冠動脈外科学会幹事、
日本冠疾患学会評議員、日本冠疾患学会特別正会員(FJCA)、日本循環器学会関東甲信越地方会評議員、
OFF-PUMP CABG研究会幹事、
CCT Surgical Faculty,
International Society for Minimally
Invasive Cardiac Surgery正会員、
埋込型除細動器研修修了、 ペーシングによる心不全治療研修修了

所属学会
日本外科学会、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、
日本冠動脈外科学会、日本循環器学会、日本冠疾患学会、
日本心臓血管麻酔学会、
日本心血管インターベンション学会、

日本ペーシング・電気生理学会、
CCT、ISMICS
メールアドレス:airdonut [@] kkr.hiratsuka.kanagawa.jp

宮島 敬介
みやじま けいすけ
医長

平成17年日本医科大学医学部卒
認定資格
心臓血管外科専門医、日本外科学会外科専門医、
腹部ステントグラフト内挿術実施医・指導医

所属学会
日本外科学会、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、
日本循環器学会、日本冠動脈外科学会

心臓血管外科では、常時、スタッフを募集しております。自らの責任で執刀できる心臓外科医を責任もって育て上げます。 (部長 高橋政夫)

国家公務員共済組合連合会 平塚共済病院

〒254-8502 神奈川県平塚市追分9-11 TEL 0463-32-1950

お電話、おかけ間違えの無い様ご注意ください。

※17:15~翌8:30までは、内容によってお応えできないものがございます。ご了承ください。

Copyright(C) Hiratsuka Kyosai Hospital All Rights Reserved.