心身医療科
診療方針
心身医療科という名乗りが示す通り、精神科、心療内科の枠に囚われず、総合病院の中で他の診療科と連携しながら、“心と身体が関連した病態”を幅広く診療しております。内科や外科、整形外科、小児科など多くの診療科や、医師、看護師、社会福祉士、理学療法士など様々なスタッフから、相談(コンサルテーション)や協働診療(リエゾン)からの依頼を受け、患者さんや御家族、関係者の方々と関わっています。
診療の方法も、生物-心理社会-倫理学的モデルに基づき、総合病院でこそできる精密検査や日本精神神経学会等が推奨する標準的な薬物療法に加え、カウンセリングや生活指導を行っています。同じチーム・アプローチでも、カリスマ的な医師の人間的な魅力を核とした熱いアプローチとは対極の、役割分担を基本としたフラットで温い(ぬくい)アプローチと言えるでしょう。
主な対象疾患と診療内容
例えば、身体面の変調が前景に立ち、他の診療科で診てもらったものの、原因がわからなかったり、なかなかよくならない時、貴方(女)は担当医から心身医療科へ紹介されるかも知れません。身体症状の遷延化や難治化の要因として、患者さんの体質や性格、生活習慣、置かれている状況、ストレス、防衛機制などが入り組んで”悪循環”を形成していることが少なからずあるからです。総合病院に慣れた精神科医や心療内科医が、こうした”悪循環”や”隠れていた”精神障碍(鬱病、不安障碍、妄想性障碍、認知症、知的障碍、発達障碍など)を診断し、チーム全体で治療やケアを工夫することにより、身体面の診療が軌道に乗ればめでたしめでたしという話です。
或いは長く精神科病院に入院していた患者さんが転院して来られた時には、精神科医が精神面の管理を分担することで、身体疾患の診療が無事全うできることを目指します。時には認知症を患っている患者さんがたまたま身体疾患で入院したのを機に、かかりつけ医からの依頼で、認知症の再評価と治療やケアへの助言をすることもあります。更には、乳癌が再発し、小さい子供を抱えて酷く憂鬱になってしまったお母さんを入院生活の中でどうケアしていったらいいか、という課題を、緩和ケアチームの一員として、事例検討会などを通じ、スタッフや当事者と智慧を出し合うことも仕事の一つです。心身医療科がどんな科か、何となくイメージできましたでしょうか?
受診時のお願い
当院の心身医療科は入院病床を持たず、既に平塚市内外に多くの通院医療機関が存在していることから、診療の対象を原則院内の他の診療科から併診を依頼された事例に限定しています。従って、初診につきましては、個人、医療機関等を問わず、直接は受け付けておりません。鑑別診断やセカンド・オピニオン、通院治療の継続などの目的で他院から診療情報提供書をもらい、平塚市内外で通院先をお探しの患者さん(や先生方)には、申し訳ありませんが御理解の程よろしくお願い申し上げます。
診療実績
平成24年04月から週5日(月~金曜日)の診療体制に戻りました。
検査・診療設備
脳画像検査:CT、MRI、脳血流SPECT、DATスキャン
脳機能検査:脳波、終夜睡眠ポリグラフィー、心理検査
スタッフ
医師 | 資格 | |||
武川 吉和 たけかわ よしかず |
部長 | 1986年東京慈恵会医科大学卒業 総合病院精神医学 精神保健指定医、精神科指導医、一般病院連携精神科指導医 |