神奈川県平塚市追分9-11

TEL 0463-32-1950
cardiology

循環器内科

休診案内

診療方針

当院では、すべての循環器疾患に対し、迅速かつ適切な診断と治療を行うことを基本方針としています。

虚血性心疾患では、救急受入体制を整え、発症から治療開始までの時間短縮を最優先しています。不整脈診療では、西湘地区で数多くの治療実績を有し、高度なカテーテルアブレーションをはじめとする専門的治療を積極的に実施しています。

診療に際しては、多職種が連携し、侵襲的検査と非侵襲的検査を適切に組み合わせ、症例に応じた最適な医療を提供します。また、クリニカルパスによる診療の標準化や効率化を推進し、地域医療機関との連携や治療後の情報共有にも力を入れています。さらに、国内外のガイドラインに準拠し、エビデンスに基づいた医療の提供を心がけるとともに、生活指導や再発予防のための患者教育にも積極的に取り組んでいます。

さらに、当院心臓センター・循環器内科では、診療の質向上を目指し、多数の臨床研究に参加しています。予後調査などのため、診療情報の利用や、患者さまへの電話でのご連絡を行う場合があります。

心臓カテーテル検査入院診療計画書(診断目的)



主な対象疾患と診療内容

虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)

冠動脈の動脈硬化による狭窄や閉塞が原因で、胸痛や息切れを引き起こします。診断には心電図、心エコー、冠動脈CT、心筋シンチグラフィーを用い、必要に応じて冠動脈カテーテル造影を実施します。

治療には、循環器内科による経皮的冠動脈形成術(PCI)や、心臓血管外科による冠動脈バイパス術(CABG)があり、近年は最適化された薬物治療(OMTOptimal Medical Therapy)の重要性が増しています。特に脂質低下療法は再発予防の柱であり、運動療法も心臓リハビリテーションの一環として欠かせません。

PCIでは薬剤溶出性ステント(DES)の使用が主流ですが、将来的な再治療や血管の柔軟性維持を見据え、Drug-Coated BalloonDCB)によるステントレス治療も積極的に行っています。また、高齢化や糖尿病患者の増加に伴う高度石灰化病変の増加を背景に、当院ではRotablatorDiamondback 360、血管内衝撃波治療(IVL)などのデバルキング治療を積極的に取り入れています。

さらに、AI解析を搭載した光干渉断層法(OCTOptical Coherence Tomography)(OPTIS Integrated Next Imaging System ULTRERON)を活用し、プラーク性状やステント展開を詳細に評価し、最適な治療戦略の立案に活かしています。

不整脈の診療

心房細動や心室頻拍などの頻脈性不整脈は、動悸、息切れ、めまい、心不全、脳梗塞の原因となります。特に心房細動は、HFpEFや僧帽弁・三尖弁閉鎖不全を引き起こし、心不全を悪化させる要因であり、早期治療が重要です。

近年では、症状の有無にかかわらずカテーテルアブレーションを早期に実施する方が、心房機能の保護や心不全予防に有効であるというエビデンスが蓄積されています。

当院では、高周波(RF)、クライオバルーン(Cryo)に加え、パルスフィールドアブレーション(PFA)、ケミカルアブレーションなども導入し、病態に応じた治療法を選択しています。PFAやケミカルアブレーションは従来に比べて安全性が高く、周囲臓器へのダメージが少ない可能性があり、今後の不整脈治療で注目されています。

徐脈性不整脈にはペースメーカ、ICDCRT-PCRT-DS-ICDなどを使用し、MicraAveirなどのリードレスペースメーカや、バッハマン束ペーシング、左脚領域ペーシングなど、生理的な心臓の動きを再現する先進的治療も行っています。




弁膜症

心臓には血液の逆流を防ぐ弁があり、弁が狭くなったり(狭窄)、閉まりが悪くなって逆流したりすると、心不全や不整脈を引き起こす原因になります。早期診断と適切な治療がとても重要です。

当院では、心エコーや経食道心エコー、心臓MRIに加え、必要に応じて心臓カテーテル検査も行い、弁膜症の重症度や心臓の機能を詳しく評価しています。治療は病状に応じて薬物療法を行いながら経過を観察する場合もあれば、外科的な弁置換術や形成術を検討することもあります。また、体への負担が少ない治療として経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)や経カテーテル僧帽弁修復術(MitraClip)という選択肢もあり、これらの治療が必要と判断される場合には、専門の医療機関と緊密に連携し、患者さんが安心して治療を受けられるようサポートしています。当院では、患者さん一人ひとりの全身状態や生活に合わせて、最適な治療法をご提案しています。

心筋症

心筋の肥大や線維化、収縮・拡張障害を特徴とする疾患であり、心不全や不整脈の原因となります。治療は薬物療法に加え、CRTICDなどのデバイス治療を行い、閉塞性肥大型心筋症には経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)も導入しています。

心不全

心不全は単なる「ポンプ機能の低下」にとどまらず、複雑な病態を含む疾患です。近年、心臓の収縮力は保たれつつも拡張が不十分となるHFpEFHeart Failure with Preserved Ejection Fraction:左室駆出率が保たれた心不全)が増加しており、その病態の多様性が注目されています。

治療の中心は薬物療法であり、「Fantastic Four」と呼ばれる4種類の薬剤群(RAAS阻害薬[ACE阻害薬またはARB]、β遮断薬、SGLT2阻害薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)が慢性期の予後改善に重要です。

心不全の原因は虚血性心疾患、不整脈、弁膜症、心筋症など多岐にわたり、PCI、カテーテルアブレーション、TAVIMitraClipなどの低侵襲治療も重要な選択肢です。これらを組み合わせ、心不全の根本原因にアプローチし、症状軽減や再入院の予防を目指しています。

当院では、心不全の病態や原因に応じたオーダーメイド治療を提供し、生活の質の向上を支援しています。

閉塞性動脈硬化症

下肢動脈の狭窄や閉塞により歩行時の疼痛や冷感が出現します。当院ではABISPP、超音波検査に加え、造影剤を用いないQISSQuiescent-Interval Single-ShotMRIを導入しており、特に膝下の病変評価に優れています。治療は経皮的血管治療(EVT)や外科的バイパス術を行います。

腎動脈狭窄症

難治性高血圧や腎機能障害の原因となることがあり、画像診断の上、必要に応じてステント治療を行います。

深部静脈血栓症/肺塞栓症

長期臥床や手術後に起こり、肺動脈を塞ぐと呼吸困難を引き起こします。治療は抗凝固療法が中心であり、外科手術前など特定の状況で一時的に下大静脈フィルター(IVCフィルター)を使用する場合があります。

慢性血栓性肺高血圧症(CTEPH)

肺動脈内に血栓が残存し、肺高血圧を引き起こす疾患です。当院では肺高血圧に対する薬物治療に加え、バルーン肺動脈形成術(BPA)の実績もあります。



診療実績

最近の検査・治療件数

2021

2022

2023

2024

総手術件数

760

733

844

862

冠動脈総カテーテル件数

1135

1115

863

922

PCI (緊急)

325(109)

316(138)

356(140)

376(155)

Rotablator,Laser,Diamondback, IVL

25,37,16

16,56,9

36,91,8, 17

25,103,9, 29

ABL

263

272

278

322

CRT+ICD

17

13

21

27

PMI・PME(リードレス)

72(25)

63(17)

113(23)

86(30)

EVT

61

66

76

73

その他(PTSMA,BPA,PTRAetc)

5

3

7

5

  • PCI:冠動脈形成術
  • PTCRA:ロータブレーター治療
  • EPS:電気生理学的検査
  • ABL:カテーテルアブレーション
  • CRT:再同期療法(両心室ペース)
  • PMI:ペースメーカ植え込み
  • ICD:植え込み型除細動器
  • EVT:末梢動脈形成術
  • その他:PTAV, PTMC, BPA, PTRA, PTSMA, ILR,



その他

認定施設

日本循環器学会指定循環器研修施設
日本心血管インターベンション学会指定研修施設
ロータブレーター認定施設
経皮的中隔心筋焼灼術認定施設
両心室同期ペースメーカー移植認定施設
植え込み型除細動器(ICD)/ペーシングによる心不全治療(CRT)認定施設
浅大腿動脈ステントグラフト実施施設
左心耳閉鎖システム実施施設

医師・スタッフ

大西 祐子 オオニシ ユウコ
統括部長 心臓センター長

医師資格

日本内科学会認定内科医及び総合内科専門医及び内科指導医
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医及び専門医
心血管カテーテル治療専門医

小林 一士 コバヤシ イッシ
部長

医師資格

日本内科学会認定内科医及び総合内科専門医及び内科指導医
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
心血管カテーテル治療専門医

岩井 慎介 イワイ シンスケ
医長

医師資格

日本内科学会認定内科医
日本循環器学会循環器専門医
日本不整脈心電学会認定不整脈専門医

荒木 恵子 アラキ ケイコ
医長

医師資格

日本内科学会認定内科医及び総合内科専門医及び内科指導医
日本心エコー図学会SHD心エコー図認定医
日本循環器学会循環器専門医

秋吉 基光 アキヨシ モトミツ
医長

医師資格

日本内科学会認定内科医及び総合内科専門医
日本循環器学会循環器専門医

仁井田 崇志 ニイダ タカユキ
医長

河本 梓帆 カワモト シホ

吉川 宏 ヨシカワ ヒロシ

医師資格

日本内科学会内科専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医

津野 航 ツノ ワタル

中田 光宥 ナカタ コウスケ

松本 拓己 マツモト タクミ

西川 陽一郎 ニシカワ ヨウイチロウ

外来担当医表

午前

西川
大西
秋吉

中田
吉川

松本
荒木
津野

仁井田
岩井

小林
河本

午後

西川
大西
秋吉

不整脈外来
岩井

中田
吉川

松本
荒木
津野

仁井田
岩井

ペースメーカー外来
荒木/秋吉

小林
河本

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