栄養サポートチーム(NST)
NSTとは
NSTは、Nutrition Support Teamの略で栄養サポートチームのことを言います。
このチームは医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、言語聴覚士、理学療法士または作業療法士など様々な職種が連携して、患者様にとって最良の栄養プランを提案していく医療チームです。
例えば、経腸栄養の患者様で下痢が続いている場合には、整腸剤や食物繊維の提案。薬の副作用の確認。必要に応じた薬剤の変更や経腸栄養製品の変更を提案します。
また、摂取栄養量や提案した内容を報告書として作成し、患者様やご家族の方へご説明します。
院内での啓蒙活動として月に1回程度、NSTニュースの発行や勉強会を開催しています。
活動状況
2012年4月 日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)のNST稼働認定施設に認定。
2016年4月 NST加算算定を開始しました。
2017年4月 日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)のNST稼働認定施設を更新。
2022年4月 日本臨床栄養代謝学会(旧 日本静脈経腸栄養学会)のNST稼働施設認定を更新
活動内容
NSTカンファレンス・回診 【毎週火曜日 14:30~】
NSTでは多職種の専門家が知識や技術を持ち寄り、情報を共有しながら患者様にとって最良の栄養プランを検討しています。
患者様の栄養状態やQOLの改善につながるよう、主治医に栄養プランを提案しています。
NSTの役割
医師の役割
① 他の診療科医師との連携
② 主治医の治療方針と方向性の確認
③ 医学的観点からの評価と栄養療法の提案
④ 最終的な栄養管理プランの決定
⑤ NSTの総括と方向性を指示
⑥ NSTメンバーの教育と他の医師への啓発
看護師の役割
① 各病棟看護師との連携
② 栄養状態の評価とNST対象患者の抽出
③ 生活環境を踏まえた問題点の抽出と助言
④ 病棟における静脈栄養・経腸栄養の注入方法や注入手順の指導
⑤ 必要に応じてNSTの介入を主治医へ提案
管理栄養士の役割
① 他チームとの連携
② スクリーニングによるNST対象患者の抽出
③ 栄養状態の評価と栄養摂取状況の把握
④ 必要栄養量及び摂取栄養量の算定
⑤ 病態に応じた経腸栄養プランの提案
⑥ 食形態や嗜好を考慮した食事の提供
⑦ 必要に応じて患者・家族への栄養食事指導の実施
⑧ 栄養に関する情報の提供
⑨ チーム活動に関する事項の調整と整備
薬剤師の役割
① 使用薬剤の把握と副作用・合併症の早期発見と予防
② 病態に応じた輸液プランの提案
③ 栄養療法関連製剤の情報の提供
理学療法士または作業療法士の役割
① 運動療法に関する情報の把握
② 身体活動量の把握と評価
③ 運動療法を行う上での問題点の抽出
④ 病棟での安静度に対する助言
言語聴覚士の役割
① 摂食・嚥下障害の有無や程度の把握と問題点の抽出
② 摂食・嚥下障害の患者に対する食事の評価
③ 病棟スタッフに対する手技の指導
臨床検査技師の役割
① 対象患者の最新の検査データの情報提供
② 検査データに関する問題点の抽出と助言
事務職の役割
① 診療報酬などの情報提供
② NSTに関するデータの整理