ご挨拶
心臓センター長 大西 祐子
当院心臓センターは、循環器内科医12名(うち循環器専門医7名)、心臓血管外科医2名の体制で、集中治療室7床、一般病棟38床の計45床を有し、心筋梗塞、狭心症、不整脈、心不全、肺塞栓症、閉塞性動脈硬化症など、幅広い循環器疾患に対応しています。
心臓血管外科は、冠動脈バイパス術や心臓弁膜症の手術など、循環器疾患に対する外科的治療を担当し、循環器内科と連携しながら患者さんに最適な治療を提供しています。
心臓疾患にはさまざまな種類があり、心臓の血管が狭くなったり詰まったりする「虚血性心疾患」、心臓の電気信号が乱れて脈が速くなったり不規則になったりする「不整脈」、**心臓の弁の異常による「弁膜症」**などがあります。
これらの疾患が原因となり、心臓のポンプ機能が低下して全身に十分な血液を送り出せなくなる状態を「心不全」と呼びます。心不全は、**心臓の収縮機能が低下するタイプ(HFrEF)**に加え、**心臓の動きは保たれていても拡がりにくく血液をうまく送り出せないタイプ(HFpEF)**があり、特に高齢者に多くみられます。
他の慢性疾患と異なり、心不全は病態が急激に悪化し、呼吸困難やむくみなどの症状が急に現れることがあり、早期の診断と適切な治療が非常に重要です。
これらの疾患により、胸の痛み、息切れ、動悸、足のむくみ、倦怠感などの症状が現れます。
当センターでは、循環器内科医がホットラインを常時携帯し、救急隊からの依頼は全例受け入れています。また、24時間体制で緊急カテーテル治療が可能であり、緊急症状に対して迅速かつ的確な初期対応を行っています。
さらに、急性期から慢性期まで、多職種が連携して切れ目のない医療を提供し、患者さん一人ひとりに応じた治療や生活支援の充実に努めています。
最後に
今後ますます高齢化が進む中で、心不全をはじめとした循環器疾患の患者さんは増加すると予想されています。当センターでは、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙といったリスク因子の管理や、適切な運動の推進などの予防的な取り組みにも力を入れています。
地域のかかりつけ医の先生方と連携しながら、予防から治療、リハビリ、生活支援まで一貫した医療を提供し、健康寿命の延伸と地域全体の生活の質向上に貢献できるよう努めてまいります。
受診をご希望の際は、かかりつけ医の先生とご相談のうえご紹介いただくことをおすすめしていますが、直接のご相談にも対応しております。胸の痛みや息切れ、動悸など気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。