令和元年度 国家公務員共済組合連合会 平塚共済病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 48 150 182 216 549 947 1653 2970 2050 544
患者数は、1入院1人として集計しており、1人の患者さんが2回入院した場合は、2人として計算されています。
10歳毎の年齢階級(入院日時点での年齢)となっており、90歳以上は一つの階級として集計しています。
・当院は湘南西部地域における中核病院としての役割を担うとともに、地域医療支援病院および神奈川県がん診療連携指定病院、DPC特定病院群として、質の高い医療を提供しています。
・超高齢社会となっている現状を反映し、70歳代の患者さんが最も多く、次いで80歳代、60歳代の患者さんが多くなっており、70歳以上の患者さんが全体の半数以上を占めています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 103 4.76 4.85 0.00 67.77
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2なし 54 8.72 10.34 0.00 66.70
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 48 5.79 6.37 0.00 63.65
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし 42 9.64 11.51 0.00 69.81
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2なし 41 5.05 6.10 0.00 63.78
・平塚共済病院は「神奈川県がん診療連携指定病院」に指定されており、当院外科では消化器がん(胃がん・大腸がん)、肺がん、乳がんの治療に特に力を注いでおります。
・1位は「鼡径ヘルニアの手術」であり、腹腔鏡を用いて行う手術と従来から行っている鼠径部に切開をおく手術の両方ともに行っております。患者さんの年齢や性別、社会的立場等を検討したうえでよく相談して術式は決定しております。退院日は患者さんの意向をよく聞いたうえで決定しております。
・2位は「乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術」で、集学的治療の一環を担う手術療法は確立しており、根治性の追求はもちろんのこと、術後在院日数の短縮化、術後乳房の整容性にも力を注いでおります。また腋窩廓清によって一部の患者さんに生ずる上肢リンパ浮腫、上肢術後疼痛症候群のフォローにも力を注いでいます
・3位は「胆嚢疾患の手術」であり、その術式の約85%を腹腔鏡下手術で行っております。ガイドラインで推奨されている、「急性胆嚢炎の早期手術」にも当院消化器内科との密な連携によりこれを可能としており、早期の社会復帰を得ることで、生活の質を保つことを重視しております。
・4位は「肺の悪性腫瘍手術」であり、その殆どを胸腔鏡を用いた鏡視下手術で行い、特に術後の疼痛の軽減に力を注いでおります。術式はガイドラインに基づいた上で、患者さんの術後の生活の質をできる限り保つことを重要視し、患者さんやご家族とよく相談をした上でその切除範囲の決定を行っております。
・5位は「乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術」で、同手術のほとんどにセンチネルリンパ節生検を施行しており、術中にリンパ節に転移がないことを検査したうえで、腋窩リンパ節廓清の省略を行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160760xx97xxxx 前腕の骨折 手術あり 134 4.36 5.54 0.75 56.15
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 122 28.84 25.94 56.56 80.71
160780xx97xx0x 手関節周辺の骨折・脱臼 手術あり 副傷病なし 64 3.47 4.11 0.00 38.27
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 39 19.44 19.40 43.59 82.13
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 27 21.19 23.56 7.41 75.93
本年度は
・1位は「前腕の骨折」。
・3位は「手関節周辺骨折脱臼」となっています。
・平塚共済病院は地域の急性期病院であると共に、神奈川県中西部における手外科専門治療病院でもあります。上肢全般の外傷から神経疾患など多彩な治療を行っております。中でも粉砕骨折や関節内骨折など治療に難渋する外傷が多くみられます。特に、手関節の代表的外傷である橈骨遠位端骨折に関しては、極めて高い専門性を有しており、クリニカルパスを使用しリハビリテーション部と共同して良好な治療成績を誇っております。
・2位は「股関節大腿近位骨折」となっています。
平塚共済病院は地域の急性期病院であり、積極的に救急患者さんを受け入れております。近年、高齢者の増加に伴い増えている骨粗鬆症に起因する骨折の代表である大腿骨頚部骨折や、大腿骨転子部骨折などの大腿骨近位部骨折などの外傷が増えております。治療はクリニカルパスを使用しリハビリテーション部と共同して良好な治療成績を誇っており、また、早期に社会復帰出来る様にも努めております。
・4位は「胸椎、腰椎以下骨折損傷」となっております。
・平塚共済病院は地域の急性期病院であり、積極的に救急患者さんを受け入れております。近年、高齢者の増加に伴い増えている骨粗鬆症に起因する骨折の代表である大腿骨頚部骨折や、大腿骨転子部骨折などの大腿骨近位部骨折、胸椎腰椎の圧迫骨折の治療が増えております。大腿骨骨折の治療は原則来院から2日以内に手術的治療を行い、重篤な合併症である深部静脈血栓症に由来する肺塞栓症などの合併症を最小限に留め、早期にリハビリテーションに移行し、早期に社会復帰出来る様に努めております。また、地域連携パスを使用しスムースな回復期治療が出来る様に努めております。また、胸椎腰椎の圧迫骨折に対しても保存的加療では臥床期間が長期になる不安定のものに対しては積極的に手術的加療を行い早期にリハビリテーションに移行し、合併症のリスクを軽減して早期に社会復帰出来る様に努めております。
・5位は「膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術)」となっております。
大腿骨骨折同様、高齢者の増加に伴い変形性膝関節症の紹介患者さんも増えており、それに伴い変人工膝関節手術も増加しております。人工関節の手術治療に際してもクリニカルパスを使用し、リハビリテーション部と共同して安全で良好な治療成績を得るとともに、合併症のリスクを軽減して早期に社会復帰出来る様に努めております。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし - - 3.10 - -
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし - - 4.01 - -
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし - - 5.26 - -
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし - - 6.48 - -
080007xx97xxxx 皮膚の良性新生物 その他の手術あり - - 5.94 - -
患者数が10人未満の項目は「-」で表示しています。
・当院の形成外科では眼瞼下垂症に対する手術の方が最も多くなっています。通常は3−4日程度の入院で手術を行っています。軟部組織腫瘍切除はサイズの大きいものは全身麻酔下で行っています。また鼻骨骨折は局所麻酔下での手術が多くなっていますが通常は1泊2日での手術となります。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 40 10.65 9.67 0.00 79.73
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 19 24.79 18.81 68.42 68.79
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 16 15.94 16.13 43.75 72.50
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 14 5.29 7.10 0.00 77.71
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 14 9.79 7.34 21.43 70.71
・第1位と5位は、あらゆる年齢層にみられる「頭部外傷」です。
頭をぶつけることは、誰にでも日常的にあると思います。入院して経過をみなければならない頭部外傷は、頭蓋骨骨折や脳の損傷を認めるときで、場合によっては手術を強くお勧めすることがあります。
これらは頭部CTを行わなければ診断がつかないのですが、頭をぶつけて病院にかかっていただきたい状態は以下の通りです。
 1)頭をぶつけた後、しばらく意識がなかった、または意識がない状態が続いている
 2)嘔吐をくりかえしている
 3)手足の動きにくさがある
 4)同じ話しを何度も繰り返す
軽症で手術を必要としないと判断される患者さんは、早期に退院することが可能です。
麻痺や高次機能障害が残る患者さんには、脳梗塞患者さんと同様に、リハビリテーションを早期に導入し、機能回復に努めております。
当院では、脳神経外科外来での診察のほか、救急外来でも随時、頭部外傷の診察を行っております。
・第2位は、外傷以外の原因による「頭蓋骨の内側に生じた出血」です。
頭蓋骨内部の出血の代表は「脳出血」ですが、それ以外に「くも膜下出血」や「脳室内出血」などがあります。
脳出血の原因として最も多いのは、高血圧・糖尿病・喫煙などにより動脈硬化を起こした細い動脈が破綻するものです。その他、脳の血管の異常・奇形、ときに脳腫瘍などから出血を起こすこともあります。
いずれにせよ、脳内の血管が破れ、血腫が周囲の脳を圧迫・破壊し、症状が出現します。
どの部位にも共通する症状として、急激な頭痛、急激な意識障害、意識内容の変化があります。
加えて、脳は部位ごとに担っている機能が異なるので、出血(破壊)部位によって、片側の手足の動きがおかしい(片麻痺)、うまく話せない(失語、構語障害)、片側の顔・手・足がしびれる(感覚障害)、視界のある部分が見えにくい(視野障害)、計算・書字・左右の区別・指の区別ができない、服が着れない(失行)、道がわからない(失認)、強いめまいが持続する、などが、単独あるいは重複して生じます。
治療の目的は、命を救うこと、脳の損傷を最小限に食い止めること、後遺症を最小限にし、残った能力を最大限回復させることです。
そのために「脳卒中治療ガイドライン2015」という指針に基づいて治療法を決定しています。
手術は、治療手段の1つであり、指針の条件を満たした時に推奨されますが、多くの脳出血の患者さんは、手術の必要がない(出血量が少ない、神経症状が軽度)、あるいは手術が適切ではない(手術が勧められない部位)ため、3番目に多い患者数になっております。
後遺症が必発なので、当院での急性期治療が終了した多くの患者さんが、より集中的かつ包括的なリハビリテーションを行うために転院することになります。
・第3位は、「脳梗塞」です。脳の血管が血栓で詰まり、脳細胞が虚血のために死んでしまい、症状を呈する病気です。
脳卒中(急性に発症する脳血管障害のこと)の中では、最も数が多く、高齢の患者さんに好発します。
急に発症した、片側手足のまひ、ろれつのまわりにくさ、言葉が出ない、うとうと寝てしまう(意識障害)、などの症状が出現したら、急いで病院で治療を受ける必要があります。なぜなら、発症から4.5時間以内に来院された、脳梗塞の患者さんに対して、条件を満たせば、血栓を溶かす薬(tPA)を投与することが可能だからです。この治療を早く行うことによって、詰まった血管が再開通し、脳梗塞にならないか、なっても軽症ですみ、ほとんど障害を残さずに退院できる可能性すらあるからです。
さらに近年一部の施設で行われているのが、「経皮的脳血栓回収術」です。上記の、血栓を溶かす薬だけでは溶かしきれなかったものを、カテーテルで物理的に除去する治療です。この手術も、条件さえ満たせば、発症から4.5時間を越えて行うことができ、詰っている血管を再開通させる可能性が残されています。
しかし、発症から時間が経過して来院された場合には、血栓を溶かす治療、血栓を除去する治療を行うことができません。治療によるメリットよりもデメリットの方が大きくなるからです。患者さんがそれまでに抱えていた病気や血液の状態次第では、これらの治療を行えないこともあります。
このような血栓を溶かしたり除去したりする治療をできなかった患者さんが、3番めに多いのです。
残念ながら、脳梗塞が完成してしまっているので、これを元に戻すことはできません。その代わり、今後新しく血栓を生じさせない、脳梗塞の範囲を広げない治療を行います。
脳梗塞には、大きく3型(アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞)あり、問診・診察・検査からそれらを鑑別し、それぞれに適した薬物治療を開始します。
脳梗塞に対する治療と同時に、脳梗塞のリスクファクター(高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、アルコール、肥満、不整脈)を洗い出し、必要な治療を追加し、再発を最大限予防していきます。
現状、脳障害で失われた機能を改善させる効果が科学的に認められているのは、早期リハビリテーションしかありませんので、入院翌日から開始します。
急性期治療(点滴や検査)が終了してなお、身体機能が自宅退院や社会復帰のレベルに達していなければ、回復期リハビリテーション病院へ転院し、集中訓練を継続することになります。
・第4位は、てんかんで、脳の慢性的な病気の一つで、年齢、性別、人種の関係なく発病します。
その症状は、発作を起こしたときに現れます。代表的な症状は、手足をガクガクと一定のリズムで曲げ伸ばしする、いわゆる「けいれん」です。
しかし、それ以外にも、手足が突っ張って体が固くなったり、突然非常に短い時間意識が消失したり、全身や手足が一瞬ピクッとしたり、感覚や感情の変化あるいは特殊な行動が出現するのも、てんかんの症状です。
これらの症状は、患者さんごとにほぼ一定で、同じ発作が繰り返し起こることが特徴です。
てんかん発作は、脳の神経細胞が、突然激しく電気的に興奮することによって、生じるとされています。
てんかんの分類は数多くありますが、原因によって、特発性てんかんと症候性てんかんに分類されています。
特発性てんかんとは、検査しても異常なく、明らかな原因が不明で、生まれたときからかかりやすい傾向を持っていると言われています。
症候性てんかんとは、脳に何らかの障害や疾患が生じたことで起こるもので、脳血管障害や脳腫瘍、脳外傷、炎症や変性疾患などが原因です。
最近は、「初発」の「高齢者」のてんかんの患者さんが増加傾向にあり、脳血管障害の後遺症や、アルツハイマー型認知症を抱えている、ご高齢の患者さんが増えているためと考えられます。
治療は、ほぼ薬物治療です。ときに2種類、3種類の薬が必要になる方もいらっしゃいます。3種類以上服用しても上記の発作を抑えられない場合には「難治性てんかん」の診断となり、高次医療機関に紹介して、より高度な検査・手術治療を検討してもらうことになります。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2なし 22 11.14 11.75 13.64 76.86
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 副傷病なし 11 28.18 23.77 9.09 72.73
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 10 20.50 22.71 0.00 69.60
050080xx0111xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等11あり 手術・処置等21あり - - 36.47 - -
050050xx0111xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等11,2あり 手術・処置等21あり - - 29.97 - -
患者数が10人未満の項目は「-」で表示しています。
・こちらには第5位までの診断群分類が載っておりますが、詳細は心臓血管外科のホームページ(https://www.kkr.hiratsuka.kanagawa.jp/section/shinryouka/shinzou.html)をご覧ください。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 70 2.00 2.78 0.00 76.67
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 14 2.00 5.09 0.00 71.14
・白内障に対し、水晶体再建術を行っています。クリカルパスを活用し、安全かつスムーズな医療の提供を心がけています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 59 8.92 6.80 0.00 55.34
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 47 5.98 5.45 0.00 33.43
030428xxxxxxxx 突発性難聴 45 7.87 8.93 0.00 57.36
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし 38 8.95 9.13 0.00 56.24
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 24 4.63 5.01 0.00 60.46
・「慢性副鼻腔炎」が1位となっています。
主に内視鏡下鼻副鼻腔手術を行い副鼻腔の炎症性病変を除去します。
・「扁桃周囲膿瘍,急性扁桃炎,急性咽頭喉頭炎」が2位となっています。
上気道の炎症性疾患は重症化すると敗血症や気道狭窄を引き起こし外科的処置が必要になることがあります。内服薬のみでは症状が改善せず、食事が摂取できない方に対し抗菌薬および補液を行い重症化を防ぎ、早期回復を図ります。
・「突発性難聴」が3位となっています。
ステロイド全身点滴治療を第一療法として行って聴力改善をめざします。また重症症例に対しては鼓室内ステロイド注入療法を併用して治療致します。
・「顔面神経障害」が4位となっています。
主に末梢性顔面神経麻痺に対し、ステロイド点滴、抗ウイルス薬による治療を行います。
顔面表情筋のリハビリを並行して行います。神経麻痺の評価を行い重度麻痺症例には手術治療を行います。
・「前庭機能障害」が5位となっています。
主に末梢性めまいに対する治療が主です。一般外来からの入院もありますが救急医療の入院が多く含まれています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 63 18.02 16.13 38.10 68.44
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 53 16.43 16.16 22.64 72.11
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 44 11.11 7.10 2.27 69.91
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 38 21.21 18.81 52.63 71.61
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病1あり発症前Rankin Scale 0、1又は2 23 20.96 18.24 52.17 76.04
・脳卒中は高齢者に多く、日本の死亡原因の第3位、寝たきりの原因の第1位です。当院は脳卒中センターを併設し、脳卒中の急性期医療に力を入れています。脳卒中が疑われる症例は24時間365日、脳卒中に詳しい医師が直接対応しています。CT、MRIも24時間撮影可能です。また脳卒中患者の迅速な受け入れを可能にするため、救急隊の脳卒中ホットラインを通じて直接症例の受け入れを決定し、治療のスタンバイをする体制になっています。
・脳卒中診療はチーム医療が重要で、神経内科、脳神経外科、看護部、リハビリテーション部、薬剤部、栄養部、患者支援室が全体でカンファレンスをしながら、治療にあたっています。急性期治療に関しては、超急性期の経静脈的血栓溶解療法(tPA治療)、脳血管内治療、外科的治療など必要に応じて院内で対応可能です。
・てんかん関しては、周囲に他に専門施設がないため、多くの症例をフォローしています。痙攣発作の救急患者も多く来院し、原因精査、治療を積極的に行っています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 21 7.95 9.00 4.76 70.43
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 14 10.29 12.55 7.14 71.07
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし - - 7.90 - -
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし - - 4.01 - -
080007xx97xxxx 皮膚の良性新生物 その他の手術あり - - 5.94 - -
患者数が10人未満の項目は「-」で表示しています。
・「帯状疱疹」が1位になっています。
・近年は、ストレス社会や高齢化の影響のため、帯状疱疹の患者数は増加傾向です。皮疹の重症度が高い患者さんや夜眠れないほど痛みのある患者さんに対して、抗ウイルス剤による早期治療を行っています。クリニカルパスを使用し、効率的かつ安全な医療を提供できるよう努めています。
・皮膚の良性・悪性腫瘍の切除、植皮術、皮弁形成術を行っています。腫瘍が大きく入院が必要な場合は、日常生活に早く戻れるようになるべく短期の入院を心掛けております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 副傷病なし 96 3.13 2.49 0.00 73.08
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 59 8.05 7.07 0.00 76.44
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1なし 副傷病なし 39 4.69 5.61 0.00 67.90
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 23 12.61 12.58 4.35 73.22
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 17 9.06 8.52 0.00 75.24
・膀胱腫瘍は生理食塩水灌流で経尿道的切除します。症例によっては再発予防で術直後に膀胱に抗癌剤注入もします。尿道カテーテルは2-5日間留置して、抜去後1-3日で退院が標準ですが、排尿症状(排尿時痛や頻尿)で不安のある方は、安心できるまで入院できます。浸潤性腫瘍の場合は、約1ヶ月後に再度深部の追加切除か、膀胱全摘術になることもあります。
・経尿道的尿路結石砕石除去術(TUL)は主にホルミウムレーザ―で砕石しています。女性の中下部尿管結石はリトクラスト(圧搾空気)でTULすることもあります。TUL後、尿管ステント留置して、退院後10日前後に外来で抜去します。TULの標準入院期間は3泊4日ですが、術後発熱すると数日間入院延長になります。他に体外衝撃波結石破砕(ESWL)で中下部尿管結石治療することがあります。1泊2日の入院で済みますが、砕石片は自排石待ちです。
・前立腺炎と精巣上体炎は抗生物質点滴治療が中心です。通常5-14日で軽快退院となります。前立腺癌再燃で内分泌療法が効果なくなった症例には積極的に抗癌剤点滴治療しています。ドセタキセルやカバジタキセルの初回投与時は、2泊3日入院で副作用の有無をチェックします。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 191 2.00 2.03 0.00 61.20
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 150 23.22 20.84 25.33 83.48
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 76 2.93 3.34 0.00 69.54
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 69 25.46 18.84 5.80 76.61
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 65 18.15 14.62 9.23 73.77
・1位の誤嚥性肺炎は高齢者に多い肺炎であり、地域の急性期疾患の治療ニーズに対して、当院で対応していることが表れています。平均年齢83.48歳で転院率25.33%であり、高齢というだけではなく各種の基礎疾患があることにより誤嚥を起こしやすい状態があり、肺炎の改善後も自宅での介護が困難な状態の方が多くなっていることがうかがわれます。その場合も当院と周辺の医療機関が連携をとり、慢性期の医療を引き続き依頼していることがわかります。
・2位の睡眠時無呼吸症候群は近年疾患が広く認知されるとともに、無治療でいた場合の社会生活への影響、他疾患の合併率や死亡率の高さ、などより受診者が増えている疾患です。当院では医師・生理検査室・臨床工学科がチームを作り対応しております。
・3位、5位はいずれも肺悪性腫瘍の患者です。肺の悪性腫瘍は、当院呼吸器科では検査、化学療法、緩和医療、及び放射線科と連携し放射線治療を行っており、手術が必要な場合は外科と連携して治療を行っております。手術の前の検査で内科へ入院して行うことになります。また全身状態が良好な方の化学療法は外来でも多く行っており、地域で必要な肺悪性腫瘍の治療を、当院で行うことができていることを示しています。全身状態が良好で予定された検査や化学療法を行う場合は入院期間が短いですが、悪性腫瘍に伴う症状(肺炎、胸水、呼吸不全、など)がある場合は治療期間が延びます。また終末期に緩和医療を中心に行う場合は入院期間が延びるとともに、緩和医療を専門に行っている緩和病棟やホスピスなどへ転院される方もいらっしゃいます。
・4位は間質性肺炎で多様な原因が考えられる疾患です。原因検索を積極的に行い治療介入しますが、呼吸不全が進行した段階では高濃度酸素療法などが必要で転院も困難な状況となり入院期間が長期化する疾患です。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 325 4.79 5.02 0.00 65.89
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 195 2.38 3.01 0.51 68.33
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 178 3.56 4.40 0.56 67.58
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 123 20.09 17.71 11.38 85.31
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 66 2.29 3.15 0.00 70.44
・1位は、頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション入院となっています。
・2位は、狭心症の心臓カテーテル検査入院となっています。
・3位は、狭心症に対する冠動脈のカテーテル治療入院となっています。
・1位は頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーションですが、年齢とともに合併率の増える心房細動のカテーテル治療など、積極的に不整脈診療を行っています。心臓病の多くを占める虚血性心疾患と不整脈疾患はお互いに合併することも多く、当院ではこれらの疾患をカテーテル治療、薬物療法とともに心臓リハビリ、薬剤指導、栄養指導などの包括的治療で心疾患をもつ患者さんの心不全予防を行っています。
・2位が虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の狭心症に対する診断のためのカテーテル検査入院です。
当院では1泊2日と2泊3日のクリニカルパスを使用しています。年齢や病態に応じて入院期間は変わってきます。比較的若い患者さんに対しては、できるだけ入院を短くするように考慮しており、外来での日帰りのカテーテル検査も運用しています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 48 11.75 11.67 12.50 69.23
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 副傷病なし 29 5.52 8.48 6.90 67.14
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 23 21.83 20.84 39.13 83.87
110280xx99010x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 副傷病なし 17 14.35 14.23 5.88 68.59
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 13 16.38 12.58 7.69 79.77
・当科の特色として、慢性腎臓病(CKD)の患者さんが多く入院されております。
・1位は慢性腎臓病の教育入院や、慢性腎炎や慢性腎臓病の合併症の治療に対する入院です。
・2位は、慢性腎臓病で血液透析が近い将来必要な患者さんに対し、透析を行うためのシャント手術目的の入院で、原則2泊3日であり、全国平均より短い入院期間となっております。
・3位、5位は救急から入院となった患者さんです。
・4位は主に慢性腎不全で透析を開始するための入院です。
・慢性腎臓病では、腎機能が悪くなるのを遅らせるため、また心臓病と脳卒中の予防のために、内服治療と同様に、生活習慣のみなおしや、塩分制限や蛋白質制限食などの食事治療も大切です。
・当科では、慢性腎臓病療養指導士の資格をもった看護師や栄養士を中心に、外来で生活指導や栄養指導をおこなっております。また慢性腎臓病教育入院にて、病気の知識の習得や、実際の治療食をとっていただいたうえでの栄養指導、合併症検査、生活指導を行っております。
内分泌代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xx99x000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし85歳未満 30 9.87 10.84 0.00 65.10
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等21あり 副傷病なし85歳未満 30 11.43 13.72 0.00 65.40
100071xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等21あり 副傷病なし85歳未満 21 12.86 14.10 0.00 68.81
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 17 13.47 12.58 11.76 80.06
100071xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等21あり 副傷病あり85歳未満 14 14.64 14.74 0.00 72.79
・1位~3位、5位が糖尿病となっています。
・インスリンが膵臓から全く分泌されなくなることによる1型糖尿病、インスリン分泌の低下や生活習慣による2型糖尿病などがありますが、日本の糖尿病は95%が2型糖尿病です。
・1型糖尿病はインスリン治療が絶対必要となりますが、2型糖尿病であっても罹病期間が長くなるとインスリン分泌が枯渇してくるためインスリン治療が必要となることがあります。また血糖値が高すぎる場合には、疲弊した膵臓を休めるためにインスリン治療を行うこともあります。インスリン治療は原則入院して開始しています(2位、3位)。
・糖尿病治療の基本は食事や運動ですが、生活習慣はひとそれぞれ。自分では普通と思っていることが違っていることもあります。生活習慣の見直しが糖尿病治療には欠かせないため、教育入院を行っています(1位、5位)。
・糖尿病は易感染性であり、近年では尿路感染症などの疾患も増加しています。当科でも他科と協力しながら治療にあたっています(4位)。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等22あり 46 32.91 39.36 0.00 62.04
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等24あり 副傷病なし 43 14.95 15.79 0.00 68.88
130030xx97x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等23あり 17 31.24 32.20 5.88 72.06
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等24あり 副傷病なし 15 32.27 31.30 6.67 71.60
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術・処置等25あり 14 9.50 22.79 0.00 69.50
・悪性リンパ腫は造血器腫瘍のなかでも、最も頻度の高い疾患のひとつであり、その過半数は非ホジキンリンパ腫です。確定診断はリンパ節生検(時に皮膚生検、消化管の生検、骨髄生検等)です。診断後は化学療法を中心として、残存病変には放射線治療が行われることもあります。さらに、再発例に対しては救援療法としての、新規薬剤を使った化学療法や、自家抹消血幹細胞移植も行われます。
・1位の急性白血病は、近隣医療機関からの御紹介も多く、当初想定していた以上の患者さんが来院されています。化学療法(寛解導入療法)により完全寛解へ導入後、地固め療法という再発防止の治療を行います。また、病型や予後を鑑み、造血幹細胞移植という選択もあります。
・1位の非ホジキンリンパ腫は、初回化学療法を目的とした患者さんのため、治療終了と共に退院となるため在院日数も15日前後と短くなります。患者さんの2回目以降の治療については、外来化学療法室で治療を継続します。
・3位、4位の非ホジキンリンパ腫は再発例であることが多く、治療内容も抗がん剤の投与量、投与期間も増えるため、入院期間も長くなっています。
・その他、高齢化社会に伴い、多発性骨髄腫や骨髄異形成症候群の患者さんも増えています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 70 11.49 9.79 0.00 77.56
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 62 8.23 8.89 4.84 68.02
060335xx99x00x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 59 14.24 10.65 3.39 73.00
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし 53 2.83 2.63 0.00 70.58
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 53 6.08 5.39 1.89 53.32
・1位・3位は「胆管(肝内外)結石、胆管炎限局性腹腔膿瘍手術等 」、「胆嚢水腫、胆嚢炎等 手術なし」です。
元々、西湘地区は胆道系疾患の多い地区であり、当院も早くから積極的治療に取り組んでいます。軽度の症例はもとより、感染が波及し敗血症や播種性血管内凝固症(DIC)を合併した急性閉塞性化膿性胆管炎に対しても抗菌薬・トロンボモジュリン製剤・内視鏡的胆道ドレナージ術等にて救命をはかり、更に内視鏡的治療(内視鏡的乳頭切開術・採石術・ドレナージ術)にて根治をめざします。当院は早期から内視鏡治療に取り組んでおり、その件数は当地区でも有数な施設の一つです。
・2位は「ヘルニアの記載のない腸閉塞手術なし」 です。
高齢化社会に伴い腸閉塞の患者さんも増えてきました。特に過去に腹部の手術を施行したことによる「癒着性イレウス」(イレウス=腸閉塞)や寝たきりの高齢者に多い「麻痺性イレウス」等がこれに当たります。高齢者の腸閉塞は放置すると誤嚥や吐物による窒息を引き起こす恐れがあるため、来院されたら速やかに鼻腔からチューブを挿入し減圧をはかります。また並行して腹部CTにより腸閉塞の原因を探り、緊急手術が必要な症例に対しては外科と連携し速やかに対応致します。
・4位は「小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」です。
当院では大腸内視鏡検査件数が多いため、発見されたポリープに対する治療入院も増えています。
・5位は「ウイルス性腸炎」です。
当院では一般外来のみならず救急外来で急性腹症や消化管出血、脱水症の原因となる胃腸炎に対し24時間対応しており、必要に応じて入院対応を致します。入院後は内視鏡検査やCT検査などにより原因精査を進めます。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 53 24 13 54 15 37 1 7
大腸癌 24 39 68 83 41 65 1 7,8
乳癌 59 52 11 20 - 35 1 7,8
肺癌 30 11 47 115 80 62 1 7,8
肝癌 - - - - - 16 1 7,8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
患者数が10人未満の項目は「-」で表示しています。
当院は「神奈川県がん診療連携指定病院」に指定されており、様々ながんの診断、治療に力を注いでおります。キャンサーボードを定期的に行い複数の科との連携のもと、手術だけでなく、薬物療法(抗がん剤療法、ホルモン療法、分子標的治療など)や放射線療法などと組み合わせて診療を行う「集学的治療」を行っております。また、多職種で形成された緩和ケアチームも活動しており、がん診療における様々な場面に対応しております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 18 9.94 52.94
中等症 158 14.90 75.36
重症 56 20.43 83.77
超重症 17 18.35 85.71
不明 - - -
患者数が10人未満の項目は「-」で表示しています。
・肺炎の重症度と平均在院日数が相関しており、また高齢者ほど重症化する傾向にあることがうかがえます。中等症、重症の肺炎の平均在院日数がそれぞれ14.90, 20.43日であり、リハビリテーションによる廃用予防など、多職種による治療を行う努力により市中肺炎の患者さんの入院期間の短縮化を目指しています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 362 20.76 74.44 39.09
その他 32 19.75 78.22 2.79
・当院では脳梗塞症例を毎年約500例の入院を受け入れていますが、救急搬送以外の通常の外来でも、脳卒中の疑い例、脳卒中後のフォローや再発予防、生活習慣病などの危険因子の治療も行っています。なるべく地域のクリニックでの管理を勧めていますが、症状の再発や定期的検査目的の受診の症例が多く、脳卒中治療の地域の中心施設として活動しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 72 1.10 2.81 0.00 65.76
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 69 2.23 3.77 0.00 64.71
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 47 7.94 17.11 4.26 77.02
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 41 1.00 3.05 0.00 63.78
K6335 鼠径ヘルニア手術 32 1.47 2.53 0.00 72.63
・1位の「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術」では、ヘルニア手術を腹腔鏡を用いて腹腔側から施行しております。病変部位の確認とより的確なヘルニア部位の補強が可能となります。術後の平均術後入院日数も2.81日と短縮化の継続が出来ております。
・2位の「腹腔鏡下胆嚢摘出術」では、胆石症や胆嚢ポリープなどの良性胆嚢疾患のほとんどを、当院外科ではこの腹腔鏡下手術で施行しています。さらにはガイドラインで推奨されていますがまだ多くの施設で対応出来ていない「急性胆嚢炎の早期手術」に対しても、当院外科は消化器内科との連携を密なものとして体制を整えており、患者さんの早期社会復帰に貢献しています。
・3位の「結腸切除手術」では、ガイドラインに基づいた手術適応と術式を基本指針としております。そのうえで患者さんの年齢、全身状態、基礎疾患などをよく考慮し安全な手術の施行を最優先と考え、さらには積極的に腹腔鏡下手術も取り入れて「より侵襲の少ない手術」を目指しております。
・4位の「乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術」では、癌の根治性はもちろんのこと、術後の乳房の整容性にはとてもこだわっており、患者さんの満足が得られるように日々努力しております。
・5位の「鼠径ヘルニア手術」では、腹腔鏡を用いて行う手術と従来から行っている鼠径部に切開をおく手術の両方ともに行っております。患者さんの症状・年齢・性別・社会的立場等を検討したうえでよく相談の上術式は決定しております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0462 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) 148 1.75 4.60 1.35 56.32
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 101 4.58 19.23 48.51 75.20
K0463 骨折観血的手術(鎖骨,膝蓋骨,手(舟状骨を除く),足,指(手,足)その他) 61 1.66 4.72 1.64 49.51
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 51 1.25 18.51 5.88 70.98
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 45 6.09 22.18 48.89 79.96
・1位は「骨折観血的手術 前腕,下腿,手舟状骨」
・2位は「骨折観血的手術 肩甲骨,上腕,大腿」、5位「人工骨頭挿入術(肩,股)」
・3位「骨折観血的手術 鎖骨,膝蓋骨,手(舟状骨を除く),足,指(手,足)その他」
となっております。
平塚共済病院は地域の急性期病院であり、積極的に救急患者さんを受け入れております。近年、高齢者の増加に伴い増えている骨粗鬆症に起因する骨折の代表である橈骨遠位端骨折、大腿骨頚部骨折や、大腿骨転子部骨折などの大腿骨近位部骨折及び上腕骨頚部骨折、さらには鎖骨や手指の骨折などに対する手術的治療が増えております。術後は早期にリハビリテーションに移行し、早期に社会復帰出来る様に努めております。また、平塚共済病院は神奈川県中西部における手外科専門治療病院でもあります。上肢全般の外傷から神経疾患など多彩な治療を行っております。外傷手術は多く、鎖骨から手指までの骨折、脱臼、靱帯損傷など幅広く対応しております。特に、極めて高い専門性を有して治療を行っている橈骨遠位端骨折治療は、広範な地域から多くの患者さんが来院しているため手術数が増加しています。
・4位は「人工関節置換術(肩,股,膝)」となっております。
近年、高齢者の増加に伴い変形性膝関節症、変形性股関節症の紹介患者さんも増えており、それに伴い人工膝関節手術、人工股関節手術も年々増加しております。いずれの治療に際してもクリニカルパスを使用し、リハビリテーション部と共同して安全で良好な治療成績を誇るとともに、早期社会復帰を目指しております。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 41 0.49 8.46 2.44 79.10
K178-4 経皮的脳血栓回収術 21 0.14 22.19 66.67 74.86
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 14 10.21 11.93 21.43 73.36
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) - - - - -
・当院脳神経外科手術の最多は「慢性硬膜下血腫に対する穿孔術」です。
慢性硬膜下血腫は、高齢男性に多く、軽微な外傷のあと1-3か月ほどして、頭蓋骨と脳の間に液状の血腫がたまる病気で、歩行障害、片側の手足のまひ、頭痛、認知障害、失禁などを生じます。
手術は、局所麻酔で行われ、約5cmの頭皮の切開を行い、頭蓋骨に穴をあけて、内部の血腫を外に出す管(ドレーン)を血腫内に留置するもので、30分-1時間で終了します。
症状は、手術後に劇的に改善する方が多く、抜糸まで一週間ほどの入院になる方がほとんどですが、それより早く退院され、術後1週間後の外来で抜糸を行うこともあります。
ほとんどの方が、一回の手術で済みますが、10%程度の方に再発がみられ、その場合にはもう一度手術を行う必要があります。
最近では、内服薬による治療も進んでおり、わずかな再発であれば、手術を行わずに薬で完治してしまう方もおられます。
・第2位は「経皮的脳血栓回収術」です。
この手術の対象となる病気は、急性期の「脳梗塞」です。「脳梗塞」に関しては前述の通りです。
発症からの時間が短ければ短いほど、詰まった血栓を薬剤で溶かしたり、カテーテルで物理的に除去するなど、脳梗塞の原因に対する根本的・直接的な治療(詰まっているものを除いて、再び血液を流す)が可能となります。
これらの急性期治療は、時間との勝負なので、すべてを同時進行で行う必要があります。
当院は、神経内科と共同して脳卒中センターを運営しており、24時間365日体制で脳卒中患者さんを受け入れております。
上記の治療に必要なMRIやCT、血管撮影などの画像検査を、血液検査などと同様、常に迅速に行える体制を整えております。
また、当院では、お薬(tPA)による治療とカテーテルを用いた治療を、常時行える体制を敷いており、積極的に行っております。
・第3位は「経皮的頸動脈ステント留置術」です。
この手術の対象となる病気も「脳梗塞」ですが、こちらの手術は脳梗塞の「慢性期」に行うものです。
脳梗塞は、再発予防も大変重要です。どのタイプの脳梗塞も、原因となる疾患があるので、元を正さなくてはなりません。ですから、高血圧やコレステロールの高い方、糖尿病のある方、不整脈のある方などは、それらに対する内科的な治療が必要となり、ときに内科と連携をとって治療にあたっています。
一方、MRAなどの検査で、脳に血液を送る動脈(頸動脈)が狭い、あるいはすでに閉塞している、などの病変が発見され、それが脳梗塞の原因と考えられる場合があります。このような場合には、前述の「脳卒中治療ガイドライン2015」に沿って、適切な外科的治療を選択していきます。
頸動脈が狭くなっている場合の治療方法は2つあります。
1つは、首を切開して、直接頸動脈を切り開き、血管の内腔を狭くさせているプラーク(動脈の内膜にコレステロールや血小板などが沈着し、「おかゆ」或いは「柔かいチーズ」のようにドロドロになり、それが厚くなって瘤状になったもの)を摘出する方法です。
もう1つは、カテーテルを使用して、頸動脈が細くなっている部位にステント(金属製の網目状の筒)を留置して、プラークごと押し広げる方法です。後者が「経皮的頸動脈ステント留置術」で、当科で3番めに多い手術件数になっています。
当院では、どちらの治療も可能です。
脳梗塞が落ち着いた慢性期に行うべき手術なので、元々の患者さんの状態がよいこともあり、入院期間は脳梗塞急性期に行う治療期間よりも短く、自宅退院率も高いです。
・第4位は「脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所)」です。
脳動脈瘤頸部クリッピング術とは、くも膜下出血の原因となった破裂脳動脈瘤、または今後そうなりうる未破裂脳動脈瘤に対し、開頭した上で、チタンなどの金属でできた特殊なクリップで瘤を閉塞させ、出血させないようにする手術です。
くも膜下出血を発症されて来院された患者さんは、すでに脳の損傷も受けているため、その後の治療も長くかかり、麻痺や高次機能障害などを残すことも多いです。
一方、未破裂の患者さんは、手術後10日ほどで症状なく帰られる方がほとんどです。
当院では、血管内手術による脳動脈瘤治療を緊急で行うことができるため、どちらの治療法がその患者さんに合っているかを検討の上、治療法を選択しています。
・第5位は「頭蓋内腫瘍摘出術(その他)」です。
脳腫瘍には、頭蓋内組織から発生した「原発性脳腫瘍」と、他の臓器のがんが転移してきた「転移性脳腫瘍」があります。また、「原発性脳腫瘍」には、良性と悪性の腫瘍があります。
頭蓋内腫瘍摘出術とは、これらに対して外科的切除術を行うものです。
悪性の原発性脳腫瘍であれば、手術のあと腫瘍の種類に応じて、放射線治療や抗がん剤の治療を組み合わせて治療を続行いたします。
一方、良性の原発性腫瘍であれば、一度の手術で完治できることも多くあります。
転移性脳腫瘍に関しては、癌の大元の臓器を担当する科と十分相談した上で、治療を行います。手術や放射線治療などその患者さんに最適な治療を検討しております。
いずれの腫瘍でも、脳の機能を落とすことが無いように、ナビゲーションシステムを使った腫瘍部位の的確な把握、専門スタッフによる神経モニタリングを必要時に行い、術後の麻痺の出現などがないように努めております。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5612ロ ステントグラフト内挿術(1以外の場合)(腹部大動脈) 18 2.06 8.11 11.11 77.22
K5551 弁置換術(1弁) 13 5.62 22.31 15.38 73.92
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) 11 5.18 16.45 0.00 69.36
K552-21 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(1吻合) - - - - -
K5612イ ステントグラフト内挿術(1以外の場合)(胸部大動脈) - - - - -
患者数が10人未満の項目は「-」で表示しています。
・こちらには第5位までの手術が載っておりますが、詳細は、心臓血管外科のホームページ(https://www.kkr.hiratsuka.kanagawa.jp/section/shinryouka/shinzou.html)をご覧ください。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 81 0.00 1.00 0.00 75.79
K279 硝子体切除術 - - - - -
患者数が10人未満の項目は「-」で表示しています。
・白内障に対し、水晶体再建術を行っています。クリカルパスを活用し、安全かつスムーズな医療の提供を心がけています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 35 1.03 6.71 0.00 55.49
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 24 1.00 7.00 0.00 54.71
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 21 1.00 7.81 0.00 26.81
K347 鼻中隔矯正術 19 1.00 6.37 0.00 36.84
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 17 0.18 0.35 0.00 3.29
・平塚共済病院耳鼻咽喉科では、みみ、はな、のどの良性疾患の手術を主に行っており、近隣の先生からのご紹介をいただき、効率的かつ安全な医療が行われるよう努めています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 57 1.32 6.51 1.75 76.26
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 40 1.38 2.50 0.00 67.80
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 25 0.72 4.64 0.00 76.08
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 22 1.36 7.77 9.09 66.95
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 19 1.11 6.58 0.00 75.68
・尿管結石が原因で水腎症・腎盂腎炎を発症し重症化した場合や、尿管結石の仙痛発作が鎮痛困難の場合、速やかに対応します。ステント留置処置所要時間は10-20分間です。発熱のない仙痛発作の例は1泊入院で経過をみます。重症腎盂腎炎・敗血症で留置の例は抗生物質点滴治療で軽快してから退院するので、入院日数は経過で異なり7-14日間です。他に、超高齢や寝たきりで結石治療できない方、癌の転移の尿管閉塞で、数ヶ月毎に尿管ステント交換している方が数名います。
・膀胱腫瘍は生理食塩水灌流で経尿道的切除します。症例によっては再発予防で術直後に膀胱に抗癌剤注入もします。尿道カテーテルは2-5日間留置して、抜去後1-3日で退院が標準ですが、排尿症状(排尿時痛や頻尿)で不安のある方は、安心できるまで入院できます。浸潤性腫瘍の場合は、約1ヶ月後に再度深部の追加切除か、膀胱全摘術になることもあります。
・他院同様、軟性尿管鏡と硬性尿管鏡を備え、ホルミウムレーザーで砕石して、砕石片は可及的に取り出します。現在は週2例程度レーザーによる経尿道的尿路結石除去術を行っています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 257 1.37 2.42 0.00 66.00
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 83 1.22 2.00 1.20 69.06
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 75 0.93 2.33 0.00 73.99
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 68 1.51 2.49 0.00 65.06
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 52 0.87 1.73 0.00 65.79
・1位、4位は「カテーテルアブレーション治療」になっています。
これは不整脈に対するカテーテル治療で、ほとんどを心房細動に対する治療が占め、その他は心房粗動、発作性上室性頻拍、心室性期外収縮、心房頻拍、心室頻拍が含まれ、動悸を自覚する不整脈の多くの病態をカテーテルで治療できるようになりました。薬物治療と併用したり、完全に薬物治療が不要になることもあります。多くの場合、入院中に経食道エコーで心房内の血栓の有無を確認するなどの術前検査も含めての入院となりますので平均術前日数が1~2日となっています。
・2位は「PCI(経皮的カテーテル治療)のステント留置術」となっています。
・5位は「PCI(経皮的カテーテル治療)のバルーン治療」となっています。
・カテーテル治療でコード上は別々に区分されていますが、病変の性状や患者さんの背景などによって治療戦略を変えますので、概ね同様の治療です。
・現在のカテーテル治療としては薬剤溶出ステントを使用するステント治療が多く、当院でも同様の傾向です。5位のバルーン治療については、これは従来型の風船治療だけではなく、バルーンに薬剤がコーティングされている薬剤溶出バルーンによる治療が含まれます。さらに、ロータブレーターやエキシマレーザーなど単独またはバルーンやステントと組み合わせて行いますが、コードとしては細かく別分類区分されるため、それぞれの治療の数には反映されていませんが、全部をあわせたものが狭心症に対するカテーテル治療となります。近年、ご高齢の患者さんと若年の患者さんが増加してきており、年齢のばらつきが大きくなっています。入院期間としては患者さんのライフスタイルにあわせて、現役で仕事をされている患者さんに関しては1泊2日や2泊3日、ご高齢の患者さんにはやや長めの入院期間にするなど柔軟に対応しています。不安定狭心症や急性心筋梗塞などの緊急で行うカテーテル治療は、コードでは別分類になっているため上記の経皮的カテーテル治療には含まれていません。当院では緊急を有するカテーテル治療や診断のための検査は夜間を含めて常時可能です。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 39 4.92 9.62 5.13 67.21
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 33 1.55 4.30 12.12 75.85
K6312 腹壁瘻手術(腹腔に通ずる) - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K331 鼻腔粘膜焼灼術 - - - - -
患者数が10人未満の項目は「-」で表示しています。
・血液透析治療に必要な内シャント造設術を行っております。内シャント造設手術のみが目的の入院は2泊3日で行っております。血液透析を行っている患者さんのシャント血流障害に対しては通常、日帰りで内シャントPTA(経皮的血管形成術)をおこなっておりますが、様々な事情で入院が必要なかたには1泊2日の入院で内シャントPTAをおこなっております。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 63 1.35 3.83 0.00 69.44
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 60 6.48 7.20 3.33 75.35
K654 内視鏡的消化管止血術 51 1.75 12.27 11.76 73.45
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 39 5.31 13.69 2.56 75.82
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 27 0.78 2.30 0.00 70.59
・「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」が1位、5位です。地域の中でも大腸内視鏡検査件数が多い施設であることから、治療内視鏡の数も上位であります。
・2位、4位は胆道処置である「内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの」と「内視鏡的胆道ステント留置術」です。診断群分類別患者数1位である疾患に対する治療であります。
・3位は「内視鏡的消化管止血術」です。二次救急の担当病院であることもあり、潰瘍からの出血や血管異常に伴う出血に対し緊急で内視鏡治療が行われています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 18 0.19
異なる 32 0.34
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 36 0.39
異なる - -
患者数が10人未満の項目は「-」で表示しています。
・播種性血管内凝固症候群や敗血症に関しては、24時間検査ができる体制が整えられており、診断がつき次第、速やかに適切な治療を開始します。抗菌薬や血液製剤等の進歩により、救命率が著しく改善しています。
・当院では、手術・処置等を行う際には、合併症を起こさないよう細心の注意を払い施行しています。起こり得る合併症については、事前に患者さんに説明した上で、同意をいただくよう努めています。
更新履歴
2020.9.29
公開